最近グルテンフリー商品でよく目にするサイリウム。
中にはサイリウムフリーという言葉もありますが、「サイリウムってそもそも何なの?」という質問がありました。
私も開発で時々使うサイリウムとは何かを説明していきます。
サイリウムとは
サイリウムとはオオバコの英名です。
オオバコはたくさんの種類があり200種類ほど確認されているようです。日本にも生息していて、その辺の道端でも見られる身近な植物なんです。
オオバコダイエットというのも耳にしたことがあると思います。ネット検索でも多くの商品が出てきますが、その多くは海外(インドやヨーロッパ)産のようですね。
近年ではオオバコも食物繊維が豊富なスーパーフードという事で注目されていますが、オオバコの働きについてみていきましょう。
サイリウムの働き
ダイエット効果
最近はやりのオオバコダイエットとはオオバコに含まれる豊富な食物繊維に着目し満腹感を得るといった目的で使用されます。
オオバコの食物繊維は保水性、膨張性に優れており、食事に混ぜるとお腹の中で膨張し少量で十分な満足感が得られる構造になっています。
100gあたりの食物繊維以外の栄養素が非常に少なく、食物繊維の塊のようなものなんですね。
増粘剤としての役割
私が開発に利用する場合、オオバコ(サイリウムシード)は増粘剤として使用します。
上記で述べたように豊富な食物繊維は保水、増粘では使いやすく感じています。しかし、食物繊維が多く含まれるという事はゲル化スピードに気を付けてながら加水率、添加量、他材料との相性等の計算をすることになります。
何度も何度も調整しながら添加割合を決定していきます。
サイリウムは危険なの?メリットとデメリット
最近ではサイリウムフリーという言葉があるようにサイリウムを使っていない事を売りにしているような表記を見るようになりました。
それでは、サイリウムのちょっと覚えておいて得をしそうなお話をしたいと思います。
メリット
善玉菌の餌になる
サイリウムに含まれる食物繊維は善玉菌の餌となり活性化され、善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランス、働きを改善してくれる効果が期待できます。
排便回数の増加
豊富な食物繊維により腸内環境が改善され、便通がよくなった、排便回数が増えたといった事例があります。
デメリット
食べすぎ注意
食物繊維が豊富なサイリウムですが食べすぎると以下の様な症状が現れるかもしれません。
- 腹痛
- 下痢
- ガス
- お腹が膨らむ
豊富な食物繊維は一見体に良いように感じますが、やはり摂取のし過ぎには注意しないといけません。
一日の食物繊維摂取量:18g~20g(成人目安)サイリウム換算22g程度(当社使用材料による)
食物繊維量:キャベツ1個 1.8g/100g、チアシード 34g/100g 、サイリウムシード 90g/100g
サイリウムはスーパーフードの中でも飛びぬけて食物繊維量が多いんです。
高価
サイリウムは高い食物繊維量を含んでいますが、その分高価な材料となります。
中々、商品に添加すると商品価格が高くなってしまうのも開発者の頭を悩ませる要因になっています。
結論
サイリウムは食物繊維が豊富なので体には良いが食べすぎには注意しよう!
いいところにばかり目をやるのではなく、しっかり食材を理解していれば体に悪いものではありません。それは食材すべてに言えることだと思います。
食物繊維は火を通すと消化しやすくなります。
サイリウム(オオバコ)は調理方法をよく考える、生で食べない(粘性がありすぎて喉につまるかも)、食べすぎない等々、普通に美味しく安全に食を楽しめる良い材料ではないでしょうか。