米の銘柄が米粉に与える影響を考える

皆さんがお使いの米粉はどこのメーカーで、どういった特徴があるかという事を考えたことはありますか?

今回は米の品種が米粉に与える影響に関して考えていきたいと思います。

お米の品種

お米の銘柄は日本国内では800種を超えています。その他にももち米醸造用米等を含めると、なんと1,000種類超となるのです!

皆さんがお使いの米粉は一体どの品種になるのでしょうか?

代表的な米粉製粉会社が取り扱う米の品種について深堀りしていきましょう!

と、その前にお米の澱粉について基本的なところに触れておきたいと思います。

お米の澱粉

お米の澱粉量はおよそ75%程度。そのうち澱粉は2種類に分けられます。それがアミロースとアミロペクチンです。最近では高アミロース米が米粉パンに向いているという事で注目をされていますので耳にしたことはあると思います。

これから説明する2種類の銘柄、コシヒカリミズホチカラですがそれぞれ澱粉の構成が違います。そこに米粉レシピの落とし穴があるんです。

皆さんがお使いの米粉。失敗したときに、レシピが悪いのか、米粉が悪いのか、考えたことがあると思います。しかし、もしかしたら米粉がそのレシピに合っていないだけかもしれない。

銘柄を理解することがあらゆる米粉の見極めに繋がる可能性は大いにあるんです。

それでは本題に移りましょう。

以下、私が米粉商品開発内で感じた銘柄別の癖についてお伝えします。DATEは参考に、感想は個人的なものが多く含まれますのであしからず。

コシヒカリ

コシヒカリは主食用米の中でも代表的な銘柄です。皆さんの食卓にも並んだことはもちろんあるでしょうし、魚沼産コシヒカリはとても有名ですよね。

コシヒカリの特徴は豊富なアミロペクチンを含みもちもちして甘味の強いお米です。

新米をふっくら炊き立てで食べるととても幸せな気持ちになりますよね。

DATE

アミロース含有量:16~18%

特徴

粘りが強く、甘味に長けている。アミロペクチンが豊富なので粘性が強く料理のとろみ付けにも適している。シフォンケーキやカステラに使うと非常にしっとり仕上がるが生地の膨らみを出すのは、可能であるが慎重に調理する必要がある。

グルテンフリーパンを作る過程において焼成後、熱を抜く段階で潰れが進む傾向にあり米粉パンには向いていない。

ミズホチカラ

ミズホチカラは九州地方で多く見られる品種で多収性品種としての栽培が多くみられる。炊き上がりは薄味でさっぱりした食感が食味が特徴。主食用というより米粉用に適した銘柄である。

私生活の中では食す機会は少ないかもしれないが、米粉業界では使いやすいと有名な銘柄でもあり人気も高い。主食用でなかなか栽培されないため全国的に見ても米粉でミズホチカラを使用しているメーカーは多くない。

DATE

アミロース含有量:20~23%

特徴

粘りが弱く、旨味は少ない。一言でいうと軽い米粉。シフォンケーキやカステラに使うと非常にしっとり膨らみが良い。アミロースが多い為、膨らみの邪魔をしない傾向にある。

グルテンフリーパンを作る過程において潰れの少ない、膨らみやすいと人気の銘柄である。

そのほかにも粘りが少ない特徴を生かした商品開発が多く行われており、今後も注目の銘柄である。

まとめ

以上のように米粉は品種によって特徴があります。

細かく言えば製粉方法、湿式、乾式などでも大きく変わって来るんです。

今お使いの米粉で思い通りにならなかった場合、米粉を変えてみるのも検討してみても良いかもしれないという事です。

余談

シーワンではコシヒカリ、ミズホチカラ両方の米粉を取り扱っています。

お試しになりたい方はこちら【BAKER OHMOTO】のサイトから購入ができます。

シーワンHP:https://www.xiwang-japan.com/

サイリウムって何?という質問がありました

最近グルテンフリー商品でよく目にするサイリウム

中にはサイリウムフリーという言葉もありますが、「サイリウムってそもそも何なの?」という質問がありました。

私も開発で時々使うサイリウムとは何かを説明していきます。

 サイリウムとは

サイリウムとはオオバコの英名です。

オオバコはたくさんの種類があり200種類ほど確認されているようです。日本にも生息していて、その辺の道端でも見られる身近な植物なんです。

オオバコダイエットというのも耳にしたことがあると思います。ネット検索でも多くの商品が出てきますが、その多くは海外(インドやヨーロッパ)産のようですね。

近年ではオオバコも食物繊維が豊富なスーパーフードという事で注目されていますが、オオバコの働きについてみていきましょう。

 サイリウムの働き

 ダイエット効果

最近はやりのオオバコダイエットとはオオバコに含まれる豊富な食物繊維に着目し満腹感を得るといった目的で使用されます。

オオバコの食物繊維は保水性、膨張性に優れており、食事に混ぜるとお腹の中で膨張し少量で十分な満足感が得られる構造になっています。

100gあたりの食物繊維以外の栄養素が非常に少なく、食物繊維の塊のようなものなんですね。

 増粘剤としての役割

私が開発に利用する場合、オオバコ(サイリウムシード)は増粘剤として使用します。

上記で述べたように豊富な食物繊維は保水、増粘では使いやすく感じています。しかし、食物繊維が多く含まれるという事はゲル化スピードに気を付けてながら加水率、添加量、他材料との相性等の計算をすることになります。

何度も何度も調整しながら添加割合を決定していきます。

 サイリウムは危険なの?メリットとデメリット

最近ではサイリウムフリーという言葉があるようにサイリウムを使っていない事を売りにしているような表記を見るようになりました。

それでは、サイリウムのちょっと覚えておいて得をしそうなお話をしたいと思います。

 メリット

 善玉菌の餌になる

サイリウムに含まれる食物繊維は善玉菌の餌となり活性化され、善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランス、働きを改善してくれる効果が期待できます。

 排便回数の増加

豊富な食物繊維により腸内環境が改善され、便通がよくなった、排便回数が増えたといった事例があります。

 デメリット

 食べすぎ注意

食物繊維が豊富なサイリウムですが食べすぎると以下の様な症状が現れるかもしれません。

  • 腹痛
  • 下痢
  • ガス
  • お腹が膨らむ

豊富な食物繊維は一見体に良いように感じますが、やはり摂取のし過ぎには注意しないといけません。

一日の食物繊維摂取量:18g~20g(成人目安)サイリウム換算22g程度(当社使用材料による)

食物繊維量:キャベツ1個 1.8g/100g、チアシード 34g/100g 、サイリウムシード 90g/100g

サイリウムはスーパーフードの中でも飛びぬけて食物繊維量が多いんです。

 高価

サイリウムは高い食物繊維量を含んでいますが、その分高価な材料となります。

中々、商品に添加すると商品価格が高くなってしまうのも開発者の頭を悩ませる要因になっています。

 結論

サイリウムは食物繊維が豊富なので体には良いが食べすぎには注意しよう!

いいところにばかり目をやるのではなく、しっかり食材を理解していれば体に悪いものではありません。それは食材すべてに言えることだと思います。

食物繊維は火を通すと消化しやすくなります。

サイリウム(オオバコ)は調理方法をよく考える、生で食べない(粘性がありすぎて喉につまるかも)、食べすぎない等々、普通に美味しく安全に食を楽しめる良い材料ではないでしょうか。

米粉製粉業者が米粉の価値について考えてみた(新入社員向け)

私は米粉製粉業界に10年程携わってきました。そんなこんなで製粉業者からみた米粉とは何かをまとめてみました。

新規需要米とは?

新規需要米とは、国内主食用米、加工用米、備蓄米以外の以下の用途の為に生産されたお米で、目的以外に使用することが禁止されています。

・飼料用 ・米粉用 ・WCS用稲 ・青刈り稲用わら専用稲(飼料作物)・新市場開拓用(輸出用等)

米粉とは

米粉の定義

米粉とは新規需要米(米粉用)を製粉したものです。

製粉方法はたくさん種類がありロール式製粉胴搗製粉ピンミル製粉、気流粉砕製粉と多様で、それぞれに特徴があります。

他にもオリジナルで製粉機を作っているところもあるように、製粉方法で米粉の特性も大きく変わる場合があるので、自分に合った米粉メーカーを探す日も来るかもしれませんね。(ちなみに私のところは気流粉砕とピンミルの2機で製粉しています。)

上新粉とは何が違うの?

上新粉は加工用米を製粉したものです。主には和菓子に使われることが多く、昔から日常的に使われてきたのは上新粉と言えるでしょう。同じうるち米(同一の田んぼで収穫されたもの)でも届け出で呼び名、用途が変わるのはややこしいですね。

新規需要米(米粉用米)の縛り

米粉用米から作られた米粉には国が推奨する用途があります。それは、小麦粉の代替(パン・麺)として活用することです。更に用途の縛りがあり、大きくは以下の2つです。

  • 上新粉の需要を脅かしてはいけない。
  • 新規需要として使用しなくてはいけない。

以上の2項目を守らなければ最悪の場合、出荷停止処分になる可能性があるようです。(前例無)

米粉の方が上新粉より安い傾向にあるので上新粉を作っているところの仕事がなくならないようにしてるんですね。

しかしまぁ、縛りがきつくて中々商品化めでたどり着く企業が少なくて困りますw

米粉に対する価値感の変化

十数年前に誕生した米粉ですが、短い歴史の中で大きく変わったのが米粉に対する価値観です。

以前は地方創生、地産地消、米粉の食感を楽しむといった付加価値で米の消費拡大を図るために米粉は利用されてきました。

しかし、ここ数年で米粉の活用方法は大きく変わり、併せて米粉の価値も必然的に変わってきました。

グルテンフリーへの活用

グルテンフリーとは小麦粉を使わないということ。

その用途は多彩で、一番取り扱われているのがアレルギー対応です。そして、美容、健康、スポーツ面でも小麦を摂取しないという人が増えグルテンフリー市場は大きく成長してきました。

米粉=グルテンフリー

日本国内と比べ、諸外国ではグルテンフリー市場が大きく輸出を狙った商品展開が目立ってきました。

日本国内においてはグルテンフリー商品には米粉が使われていると認識されることが多くなってきました。

国外「グルテンフリー=小麦粉を使わない」

日本「グルテンフリー=米粉」or「グルテンフリー=小麦アレルギー対応」

といった感じです。

正確にはグルテンフリーは小麦粉を使わないという事なのですが、日本ではアレルギー対応を目指し、「ノングルテン」という新認証が誕生し、輸出を視野に入れた商品開発が増えています。

要約

十数年前に誕生した当時は 地方創生、地 地方創生、地産地消、米粉の食感を楽しむ という付加価値での米粉消費を促進していました。

しかし、ここ数年からグルテンフリーという考え方が広く知られるようになり、小麦アレルギーに対する認識の向上から米粉=グルテンフリー、そしてアレルギー対応という観点から米粉消費を促すようになってきました。

つまりこれからの米粉の価値はグルテンフリー対応、アレルギー対となり、更に市場は何倍にも膨れ上がると予想されています。

米粉の栄養価について考えてみた

米粉はエネルギーになりやすい炭水化物を多く含む食品で、日本の主食であるお米を粉に精製したものです。お米を粉に精製した米粉は、カロリーもそうですがお米の栄養素をぎゅっと凝縮してあります

粉になることで用途も広がる米粉は、栄養価の面でも注目すべきところがあります。

米粉はアミノ酸スコア高得点食品

アミノ酸スコアというのは、必須アミノ酸がその食品にどれだけバランスよく含まれているのかを得点にしたようなものです。肉や魚、卵などの動物性タンパク質は、アミノ酸スコア100です。アミノ酸スコアの高い食品としては枝豆やじゃがいもなども高い食品です。

お米もアミノ酸スコアの高い食品の一つです。炭水化物の中では高得点と言えるでしょう。同じ主食である小麦は44なので、お米を粉にしている米粉も、小麦粉よりアミノ酸スコアが高い食品と言えます。

アミノ酸スコアが100であれば摂取したタンパク質を逃さず利用できるのですが、アミノ酸スコアが低い食品では、せっかく摂取したタンパク質を全部利用できるわけではないということも言われています。このことから、単品で食べる食事よりも、いろんな種類を組み合わせた食事で食べた方が、栄養を体に取り入れやすいことがわかります。

何かと一緒に摂ると栄養が摂りやすくなる

米粉の場合、それを単品で食べることはなかなかありません。揚げ物の衣にしたり、米粉と小麦粉と混ぜてパンにしたり、お好み焼きやたこ焼き、うどんに使ったり、おやつにおまんじゅうやケーキにもなるなど、様々なものに変わります。

アミノ酸スコアが小麦粉よりも高い米粉を使って粉物料理をすると、小麦粉の時よりも、一緒に摂取した食品の栄養を取り込みやすくなります。アミノ酸スコアが低い食品よりも、高い食品の方が無駄なく栄養素を取り込めますが、アミノ酸が低くても組み合わせる食品によってはもっとアミノ酸スコアが高くなり、栄養素を無駄にせずに利用できるのです。

お米の場合は納豆と相性がいいとされています。米粉でも同様なのですが、納豆は大豆です。米粉の場合は、お豆パンにしたり、たこ焼きの具に枝豆を入れてみたりするといいかもしれません。

糖質が高いことはマイナスポイントか

米粉は栄養価が高いですが、糖質やカロリーが高いことも知られています。糖質が高いことは、現代ではダイエット的にも健康的にもマイナスに見られがちです。しかし、糖質という栄養素は脳の唯一のエネルギー源です。

食事から糖質を摂ることで、脳にエネルギーを送ることができています。米粉はその要素を多く含んでいると言えます。糖質は余れば脂肪になってしまうとされていますが、脳に行き渡る量、体の各細胞にエネルギーとして行き渡る量の糖質は毎日必ず必要なのです。食事は人によって何回か小分けにして摂っていますが、本来は摂る量のバランスを間違えなければいいだけのはずです。

体に余っている脂肪もありますが、脂肪の燃焼を優位にして脳のご飯とするには体の代謝が変わってしまい、活動量を抑えてしまうことにもつながります。そこに糖質ダイエットの落とし穴があります。

糖質ダイエットの落とし穴

糖質ダイエットは、米粉に多く含まれる糖質をなるべく取らないダイエット方法です。体重が目に見えて減るので人気の高いダイエット方法ですよね。このダイエット方法がメジャーになったことで糖質は敵のようにされてきました。

お米や米粉が邪魔者扱いされてきたわけですが、最近では新しい見方が増えています。糖質は体内で水分と結合しやすく、糖質が減ったことで水分量が減り、見かけ体重が減っただけであるという見解です。その上で代謝がセーブ状態になってしまうと、次に糖質を摂取したときに体は余計に溜め込んでしまうのに、活動は抑えられているのでリバウンドを呼んでしまい、不健康であり痩せない負のループを作ってしまいます。

きちんと栄養素を満たした上で余剰をつくらず、体や代謝が活発な状態でいることが健康であり、ダイエットにもつながることなのではないかと思います。

米粉の栄養素はダイエットに活躍するのか

これらのことから、アミノ酸スコアの高い米粉によるダイエットは効果が高いと言えるでしょう。米粉にはカルシウムやカリウムも含まれているので、体を強くする要素もあります。いろんな食材と一緒に調理することでも、美味しさや食感、そして栄養の摂取できる幅も広がる食材なので米粉はとてもおすすめです。でもカロリー数は特別低くないので食べすぎには要注意!

米粉のいいところについて考える

米粉について

お米は日本の主食でした。しかし、近年はパン食も増えて、お米の求められるシーンが少なくなってきました。パンもとても美味しいですが、お米を米粉にすることでパンの原料である小麦粉の代用として使うことができ、食卓のバリエーションがさらに増えます。

米粉を使うことで消費者にも生産者にもいいことづくめです。米粉のいいところをご紹介します。

栄養価が高い

米粉はお米を粉にしているのでお米の栄養をぎゅっと凝縮してあります。お米は炭水化物でありながらアミノ酸スコアが高く、一緒に食べることでタンパク質の栄養の吸収率をあげてくれます。

米粉にも同様のことが言えるので、ご飯を単体で食べるよりも、米粉とタンパク質で作るもの、例えばお好み焼きや豆パンなどの高栄養価のものと一緒に調理すると、より栄養価の吸収をあげることができるのです。

また、お米や米粉には、炭水化物に含まれる食物繊維をはじめ、体の調子を整えるビタミン、骨を丈夫にするカルシウム、貧血を防ぐ鉄、骨を構成するマグネシウム、細胞の形成を助ける亜鉛も含まれます。

欧米の人にも和食が健康食として注目されるのは、主食たるお米に栄養がしっかり詰まっていることも要因の一つとして考えられます。また、お米や米粉は単体ではなく、他のタンパク質や野菜などと一緒に食べることをベースにしてあることも、総じて摂取する栄養価を高めて健康な体を作る秘訣となっているでしょう。

米粉はグルテンフリー

アレルギーの問題は生死に関わる重大な問題です。アレルギー症状は呼吸器系の異常やアナフィラキシーショックも起こりうることで、食事によって引き起こされる場合はその原因物質である食品を避けなければなりません。

小麦はアレルギーを起こしやすい食品の一つです。そこにはグルテンというタンパク質の一種が関わります。パンのもっちり感や弾力を作るもととなるものですが、グルテンにアレルギー反応が出てしまうと、パンやうどん、小麦を使っているものは食べれなくなります。しかし現代の日本では、いろんな食材に小麦が使われているのでたくさんの食品が食べれなくなってしまうのです。

そこで小麦粉の代用として米粉を使うことで、いろんな粉物食品を食べることができるようになります。米粉100%のパンというのはなかなか難しいかもしれませんが、作れないことはありません。お好み焼きもうどんもたこ焼きも揚げ物も、小麦粉ではなく米粉を使うことでアレルギーがあっても我慢せずに食べれるようになります。

用途が幅広い

アレルギーに悩む人たちへの小麦粉の代用としても米粉は便利ですが、お米が粉になることで使えるシーンの可能性が大幅に増えます。うどん粉、唐揚げ粉、天ぷら粉としても使用が可能ですし、製菓用、パン用として販売してある米粉もあります。

小麦粉よりも栄養価は高いのに味も癖がなく使いやすいので、どちらを使っても問題に思うことはないでしょう。

吸油率が低い

さらに米粉は油物と相性がいいこともいいところの一つです。相性がいいというのは油なじみがいいという意味ではなく、脂質の過剰摂取を気にする人にとって米粉は小麦粉より有益ということです。

米粉は小麦粉よりも吸油率が15%以上も低いのです。唐揚げや天ぷら、ドーナツなどの揚げ物を小麦粉ではなく米粉で揚げることでダイエット効果も望めます。

腹持ちがいい

米粉は元々お米なので、もちもちしていて腹持ちがいいことも利点の一つです。パンは食事としてもおやつとしても生活に取り入れやすいですが、白米のご飯というのはなかなかおやつとしてカウントしづらくはないでしょうか。

ご飯は食事、と日本人の文化に根強くあるからかもしれませんが、お米の腹持ちの良さも大きく関わるのではないかと思います。しっかり食べてパワーとなりやすいお米や米粉は、日本人の文化にも体にも合っているものだと思います。

お米屋さんが助かる

パン食や糖質制限ダイエットの波に押されお米の消費率が減っている中、米粉の汎用性によってお米農家さんが大いに助かります。

日本の食事のベースであったところが多様性により揺るがされていますが、多様性を逆手に食事以外のシーンでも米粉としてスイーツの原料になったりすることができるようになりました。米粉としての使用率が上がれば、お米の消費量もまた増えていくことでしょう。

米粉はお米の可能性を広げています。お米は広く日本で愛されていますが、米粉になることでさらに大きな市場で活躍することができます。栄養価も高く体にもいいので、お好み焼きや唐揚げなどのお米に合いそうな粉物から食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

米粉ってなに?上新粉と違うの?という質問がありました。

 米粉は字面からも分かる通り、お米を粉にしたものです。お米市場は今、需要が少なくなってきているということで、日本はお米を無駄にしないために米粉に力を入れています。米粉の汎用性の良さから米粉の用途が大きく広がり、健康にも気をつけつつ美味しく食卓の幅が広がることが期待されています。

米粉には種類がある

 ひとくくりに米粉といっても米粉にも種類があるのをご存知でしたか?米粉の原料となるものがうるち米なのかもち米なのかというところから分けられています。そして、一般的に売っているものの中にはミックス粉というものもあります。米粉と書いて売っていても、100%米粉のみで売っているわけではないものもあるのです。アレルギーを心配して米粉にしたいという人は、必ず原材料の表記を確認して購入するようにしましょう。

「米粉用米」から作る米粉

 うるち米とは、一般的に食べているお米のことを言います。その枠の中に銘柄があり、あきたこまちやコシヒカリなどはうるち米の品種です。うるち米は丸くて半透明の形状です。うるち米がふっくら炊き上がるのは、アミロペクチンというデンプンが含まれるからであり、このアミロペクチンの含有量を調整してさらにお米の美味しさを追求したりする生産者さんもいます。

 上新粉、上用粉は加工用米から作られ、米粉は米粉用米から作られます。詳しくは別途投稿をしたいと思います。ここでは簡単に説明します。

もち米から作る粉

 もち米からできるのはもち米、白玉粉、求肥粉、落雁粉などになります。うるち米に比べて粘り気があるモチモチした食感を作ります。それは、うるち米にあるデンプンのアミロースが少なく、代わりにほとんどアミロペクチンというデンプンでできているからです。真っ白で不透明であり、丸みがあるのがもち米の特徴です。

 もち米からできる粉は、よく伸びて舌触りがいいので白玉や大福、求肥などの和菓子によく使われます。水洗いされたもち米を挽いて乾燥させて粉にします。こちらもパン用とは違って、水と練って加熱するとつるんとした食感になるので、もち米からできる粉でも小麦粉の代用にはならないようです。

昔からずっとある米粉

 米粉は実は昔から作られていて、初期の用途としては奈良時代に唐から伝わった油で揚げたおせんべいだったようです。今でも揚げせんべいは美味しいお茶菓子として日本で愛されています。和菓子などに使われるようになったのは江戸時代で、茶道と一緒に発展していきました。

 昔の米粉の使い方は和菓子やお煎餅などのおやつものの用途でしたが、現代の使い方の幅はもっと広がっています。

新しい米粉の用途

 もちろん上新粉や白玉粉としての用途は現代でも受け継がれてきていますが、パン用や製菓用の米粉が発展してきたことでさらなる広がりを見せています。小麦粉で作られているものの代用として昔からあった米粉が使えるのは、発想の転換とも言えるでしょう。さらに海外での需要も加味して輸出することで、新鮮味のある、健康食であり非アレルギー食として注目されることも期待できます。

 近年ではグルテンフリーという考え方も普及しています。アレルギー対応や美容、ダイエット、スポーツなどにも結び付け効能に期待が高まっています。うるち米の更なる消費に繋がる良い傾向がみられています。

 最近は「小麦を摂取しすぎると良くない」とか「グルテンフリーで病気にならない」とか記述が出てくることもありますが、私自身は小麦=悪だとは思っていません。小麦粉にもたくさん栄養はつまっています。ジャンクフードだけではなく、バランスのとれた食事が結局は身体にいいのではないでしょうか。